壮年の夢

三井住友カードのテレビCMがちょっと気になります。

湖畔の夕暮れ。ディレクターチェアに座った父娘の語らい。
「夢はパパみたいな建築家になること。だって格好いいじゃん」
将来の夢を問われた中学生ぐらいの少女は、そう答えた後、聞き返します
「パパの将来の夢は何?」
「エッ!・・だって、パパはもう・・・・」
虚をつかれた建築家はそれだけ言って、黙考してしまいます。
功なり名を遂げたであろう彼にとって、将来の夢とは・・・?
なかなか、深いシーンです。

さぞかしご高名な建築家であろうと、検索したところ、彼は小市慢太郎という、すかした名前の男優さんでした。

考えてみれば、多忙な建築家と交渉し、演技指導を施すより、それっぽい俳優に演じさせる方が何万倍も合理的ですよね。
むしろ、「本物」だと思い込む方が、青いというか、おめでたいというか・・・

“夢“などと寝ぼけたことを言っているより、ドライな現実を見極める眼力を身につけるのが先決のようです。