カラータイマー

本日の診療終了後、昼食のカップラーメンを食べようと、iPhone(のSiri)に
「タイマー3分」と音声指令を出したところ、
「怪獣と戦うのですか? 頑張って下さい!」と返されました。
おー!何とお茶目なSiri姉さん!

 
これは、言わずとし知れたウルトラマンのカラータイマーの事を言っているのでしょう。
若い人にはピンとこないかもしれませんが、カラータイマーとは、ウルトラマンの胸に輝き、地球上で活動できるエネルギー残量を示す発光体です。通常は青色、エネルギー残量が少なくなると赤色に点滅し警告音を発します。初代ウルトラマンではおよそ3分が限界でした。

 
もし地球人にも、カラータイマーという、生命力の明確なバロメーターがついていたらどうでしょう!?
・・・色々と不都合なことがありそうです。

大勢の仲間を引き連れて仕返しにやって来た卑怯な敵役にボコボコにされた、負けん気の強い主人公が、血ヘドを吐きながら
「へッ!・・・もう終わりかよ?・・これしき・・蚊に刺されたのかと思ったぜ!」
と強がってみせても
「いや、いや、いや! かなり効いてるだろうが! カラータイマー、バコバコじゃねーか!」
と突っ込まれてしまいます。

極限状態で心が折れ、「・・俺はもうダメだ。お前達だけでも先へ行ってくれ!」
と、感動的な最期を演出しようとしても
「・・で、でも先輩、まだカラータイマーが点滅していませんよ・・」
と気まずい雰囲気になってしまいます。

一方、手加減が分からず喧嘩で致命傷を負わせてしまうことや、不必要な救急車要請がなくなる、という利便性もあります。拷問の専門家は(そんな職種があるのかどうかは知りませんが)、さぞ効率よく仕事ができることでしょうし、病棟を巡回する夜勤の看護師さんのストレスも多少は軽減されるでしょう。

それにしても、げに気の毒なのはウルトラ一族です。この美しい地球、しかも豊かで住みよい日本に、たった3分間しか滞在できないのですから。