プロ仕様

当院には医療機器・材料の一端としてコンドームが常備されています。
「経直腸エコー」といって棒状のエコー機器(エコープローブ)を肛門から挿入する検査があり、その器具が便で汚染されるのを防ぐカバーとして、コンドームが使用されるためです。

ご存じのように、コンドームには様々なタイプがあるのですが、エコープローブのカバーとして使用する場合、「イボイボ」や「くびれ」や「精液だまり」などは全く不要なのでして、シンプルで丈夫なものが一番です。そういう観点で多種多様のコンドームを試し、最終的にたどり着いたのが写真の「Magic Shape」(相模ゴム社製)です。ど派手なパッケージにはアカデミズムのかけらもありませんが、大きさといい、強度といい、シンプルな構造といい、まさにプローブカバーとして使われるために生まれてきたような製品です。そして何より、私が気に入っているのは、箱の左肩にさりげなく記された「プロ仕様」の文言です・・・何となく男心をそそるではありませんか。

しかし、「プロ仕様」って!? コンドーム使いの「プロ」って誰!?

AV男優? いやいや、今時のAVで「サック付き」はあり得ない。
竿師・ホスト? いやいや、彼らをもしプロと呼ぶのであれば、それは常時臨戦態勢でかつ「接して漏らさない」からであって、コンドームの使用などは噴飯モノです。

どうやら男性の場合、「プロ」のイメージを追求すればするほど、コンドームとはかけ離れていくような・・・

では女性側の「プロ」が、性病予防の為に相手に装着するものなのか!? でも、そうだとすれば、なにか淋しい「プロ仕様」宣言です。

 

ということで、「プロ仕様」とは「プローブカバー仕様」の略という解釈にたどり着いた我々は、今後もありがたく”適応外使用”を継続していきたいと思います。
いいですよね、相模ゴムさん。