冷凍焼きおにぎり事件

昼休み。わびしくカップラーメンをすすっていると、スマホにALSOKからの着信が

「もしもし。わたなべクリニックさんの火災報知器に異常が感知されましたので、スタッフがそちらへ向かっています!」
「えっ!? 特に火の手は上がってないようだけど・・・」
「そうですか。一応、現場を確認します!」

怪訝に思いながら電話を切ったとたん思い出しました。先ほど「冷凍焼きおにぎり」をチンした際、1分でいいところを3分間加熱して、レンジから煙を出してしまったことを!

 

数分後、2階スタッフルーム前
「これが焦がしちまったおにぎり!ちょっとだけ煙が出たたい。つまんないことで出動させちゃって、ごめんね」
「・・・いえ大丈夫です。一応報告書を作成しますので、お待ちください」

ほのかな焦げ臭さと気まずい空気が漂うなか、ALSOKのお兄さんが、その屈強なガタイを全く必要としない小さな伝票作成作業にいそしんでいます。

「それにしてもさー、ALSOKさんの警報器は敏感だよね~! 凄い凄い!」
白々しいおべんちゃらを並べても、体裁の悪さは拭いきれません・・・

 

「気をつけてよ。ほんとに!」
たまたま顔を出したナースにそう話しかけ、「犯人」の汚名だけは、なすりつけておきました。