レセプト作業で残業するスタッフのため、月に一度お弁当をとっています。
今月は鳥善の「鳥重弁当」。浜松市民なら一度は食したことのあるこの弁当。私には思い入れがあります。
20数年前、まだ労働基準法がなかったため(?)、大学病院の研修医だった私は、年中無休24時間体制で病院中をかけずり回っていました。当時、私の所属する医局ではなぜか、食事している所を見られるのが罪悪とされるような雰囲気があり、職員食堂で昼食をとっているところなどを見つかると、「こいつ“隠れメシ”してやがる!」と袋叩きにあったものでした。
必定、栄養補給は“誰にも見られず迅速に”という流れになり、雑用の合間に売店で買った食物を、当直室で一気にむさぼり喰うという毎日でした。
その“食物”のうち、最も頻繁に登場し、かつ豪勢であったのが鳥重弁当。
鳥善・浜松医大店のレジ横で売られていたこの弁当は、唐揚げを中心としたおかずに加え、ご飯の上にも二つの唐揚げがのっているという、美味かつボリューム満点の弁当で、深夜のラーメン屋で夕食にありつけるまでの十数時間、私の唯一のエネルギー源となってくれました。
この弁当をほぼ毎日数分間で完食し、しっかり早食いの習慣を身につけたため、その後、超多忙な病院に勤務した際、外来終了から手術開始まで5分しかなくても余裕で昼食をとることが出来ました。
今回は、当時を思い出しながら、ゆっくり咀嚼し、10分もかけて懐かしい味を堪能しました