「お世話になりました」

(今回は、医師の守秘義務違反ギリギリの話です。)

当院は泌尿器科を標榜しているため、当然のことながら性感染症の患者さんも受診されます。

その日みえたのは、排尿痛と排膿を訴える若い男性。尿所見からみてどうやら「淋病」のようです。

「えーーと、2週間以内に、女性から病気をもらった覚えが・・・ありますよねー?」
「あ、はいッ!先週の土曜日、デリにお世話になりました!」

 

 
『お世話になった』!!!

 

「つい!ちょっと」とか「宴会後に、勢いで」とか、「先輩に強引に誘われて」とか、言い訳がましく言葉を濁す患者さんが多い中、明らかに病気を移されたにもかかわらず、「お世話になりました」と感謝の言葉を口にするこの男性に、感動と清々しさを覚えずにはいられませんでした。

 

現在の苦痛を差し引いても、謝意しか出てこないほど、至福の時間だったのですね!
 

そう言わしめた風俗嬢の、“超絶テクニック”にも思いを致した雨の午後でした。

 


写真は本文とは無関係な クリニック受付近影