自動ドア 危機一髪

土曜日の診療中、入り口自動ドアが機能不全に陥りました。当院の自動ドアは、入るときは全自動、出るときはタッチスイッチを押すとタイプなのですが、このタッチスイッチが反応しなくなったのです。やむなく、患者さんがお帰りの際には、受付スタッフがサッと駆け寄り、人力でドアをこじ開けるという不格好な体勢になってしまいました。

さすがにこのままではまずいので、診療終了後、ドア枠のシールに記されている自動ドア故障時連絡先に電話。しかし、応えてくれたのは「営業時間外」を告げる自動音声でした。

しかたない、月曜日まで待つか!

落胆しているところに、隣接する調剤薬局の薬剤師N氏がたまたま登場。

「あー! 先生の所も壊れましたかー! うちの自動ドアも先日壊れて、中の電池を交換しても直らないので、業者に依頼したんですよ。やっぱ、同じ時期に建てたので、そろそろ寿命だったんですかねー?」

「んッ!? 中の電池!? ここに電池が入ってるの??」

「はい。このカバーを外すと・・・」

カバーを外すと、もう1枚のカバーに隠れて一見分かりづらいですが、確かに単4の乾電池が2本鎮座しておりました。そしてその明らかに疲弊した電池を交換したところ、なんとタッチスイッチの機能が完全回復したのです。

自動ドアという明らかに電気で作動する設備内に、よもや乾電池で動くユニットがあるなんて、夢にも思わないじゃないですか。しかも9年近くほぼ毎日稼働していたものが、まさか単4電池2本を動力源にしていたなんて!

もし修理業者を呼んでいたら、密かに電池を交換された後、「回路の一部がショートしていたので、直しておきました」とか言われて、しれっと2万円位請求されたことでしょう。

自動ドア業界の技術力の高さと「悪意」を感じた午後でした。
浮いた2万円で、焼き肉でも喰いにいきます。