故郷(ふるさと)

東日本大震災の2週間後あたりだったでしょうか、カーラジオで偶然、唱歌「故郷(ふるさと)」を聴きました。アカペラで生歌を披露してくれたのは畠山美由紀さんという女性。初聞でしたが、気仙沼出身の人気ボーカリストだそうです。

彼女の歌唱力もさることながら、初めてじっくりと聴いたその歌詞に胸を打たれ、運転中にもかかわらず、思わずボロボロと泣いてしまいました。

兎追いし かの山
小鮒釣りし かの川
夢は今もめぐりて
忘れがたき 故郷(ふるさと)

如何(いか)にいます 父母
恙(つつが)なしや 友垣(ともがき)
雨に風につけても
思い出ずる 故郷

志(こころざし)を 果たして
いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷
水は清き 故郷
(作詞/高野辰之)

故郷で遊ぶ無垢な少年時代に思いをはせ
両親の健康状態や 旧友の暮らしぶりに思案を巡らせた後
かつての夢を思い起こし 自分を奮い立たせる
そして最後は故郷の自然を敢えて淡々と語ることで、全ての思いを収束させていく・・・


故郷に帰れないわけでもなく、果たすべき大志もない私ですが、こういう無駄のない、奥行きのある日本語に接すると、日本人に生まれた幸せを実感します。


 

写真は、実家(沼津市)近くの海辺から望む富士山 
母親の一周忌で里帰りしたので、撮ってきました