「電気ですか?」

「モシモシー。イマ、混んでますかー?」
とある夕刻、おそらく外国籍と思われる男性から電話がかかってきました。
「いえ、ただ今、さほど混み合っておりません」
冷静に対応する受付嬢
「あの、マッサージをお願いしたいんですけど、今から行ってもいいですか?」
「マ、マッサージ??ですか?? 当院ではマッサージは行っておりませんが・・・」
「エッ、だって看板に書いてあるよ!」

もちろん、当院ではマッサージの類は行っておりません。あえてマッサージに近いものといえば、干渉低周波治療という頻尿・尿失禁の電気治療装置です。年配の患者さんは「電気」「デンキ」と呼んでいます。
ふと、それが思い浮かんだ受付嬢
「・・・デンキですか?」

「おー、元気、元気!元気ビンビンだよ! 早くマッサージして欲しいよ!」

これはヤバイと感じた彼女は、年配のスタッフに電話を代わりました
「あの、こちらは泌尿器科・内科・外科のクリニックですので、マッサージは行っておりません」
「何言ってるんだよ!看板に書いてあるじゃん!!」
「ですから当院は・」
「もういいよ!アンタは! さっき『元気ですか?』って言ってくれた女の子に代わってくれよ!!」

そんなかみ合わないやりとりの果て、電話は何とか切れました。
ヒマだったので調べてみると、当院の電話番号(411-2525)に酷似した番号(41○-2525)の「中国式マッサージのお店(個室完備)」が存在しました。

「元気」だった彼は、無事にマッサージを受けられたのでしょうか?

 

写真は「デンキ」こと干渉低周波治療器「ウロマスター」