特技

先月入職した受付嬢の面接時の話です。
 

履歴書の特技欄に「ボート(国体出場)」と記されているのに目を留めた私
「へー! ボートで国体に出たんだ! 凄いね!」
「はいッ! 高校時代に! 頑張りました!」
「じゃあ、今でも時々漕いでいるんだ!?」
「いえ。卒業してからは、全く・・・」
「あっ、そうなんだ・・・そうかっ! ボートで鍛えた脚力と腕力に自信ありって事か!?」
「いえ、脚力にも腕力にも自信はないです。私、漕ぎ手じゃなくて、コックスっていう掛け声係だったんでー」
「エーーーーッ!」


決してボートのコックスをディスっているわけではありません。
この話を、行きつけの飲み屋でした時、隣のお客さんが、ひとしきり笑った後に、図らずもおっしゃいました。
「でもね、ナベ先生。コックスっていうのは、ボート競技に誰よりも真摯に取り組み、誰よりも多くの汗を流して、漕ぎ手全員から全幅の信頼をおかれなきゃ出来ない役割なんだよ。 まして強豪チームのコックスなら・・・きっと優秀な子だよ、その子は」


当院の受付嬢、まだその優秀さは隠しているようですが、今後のレース展開に期待したいです。
ただ、コックスという“特技“ を披露する機会は、多分一生ないよな。