店員さんについての考察(その1)~コンビニ編~

近所のコンビニへ昼食を買いに行ったときの話です。
紅茶とサンドイッチとチキンを購入。 PayPayで支払をすませ、商品を入れてもらったレジ袋を受け取ろうとした瞬間、レジ横ケースにあったアメリカンドックと眼が合ってしまいました。

「あっ、やっぱ、アメリカンドックもひとつちょうだい!」

「ありがとうございまーッす!!」

20代前半とおぼしき店員のお兄さんは、間髪入れずに笑顔でそう答えると、閉めたばかりのレジ横ケースを開け、手慣れた手つきでアメリカンドックを専用袋に押し込み、一度閉じた僕のレジ袋に丁寧に収めてくれました。

爽やかに「ありがとう」と言われたけど、彼は本当に「ありがたかった」のでしょうか?

彼の手間を増やしてしまったことは間違いありません。
売り上げは僅かに増えたでしょうが、それが彼のバイト代に反映されることはないでしょう。
相手が可愛い女性ならまだしも、目の前に立っているのは、無愛想なオヤジです。

なぜ、心から「ありがとう」と言えるのか?

もしかしたら、コンビニには「本日のラッキー商品」というモノがあって、それを売ると臨時ボーナスが出るというシステムなのかもしれない。
あるいは、彼は日本人に見えたものの、実は東南アジアのナンタラ共和国からの留学生で、彼の国では「ありがとうございます」は「ふざけんな!馬鹿やろー!」とう意味なのかもしれない。

ただ「ラッキー商品」なら、もっとレアな商品が選ばれるはずだし、外国人説は、あの流暢な日本語からは無理がある。そもそも、表情は間違いなく穏やかだった。


腑に落ちないまま、クリニックに帰着。
居合わせたスタッフに

「さっきさー、コンビニで(かくかくしかじか)なことがあったんだけど・・・心の中では絶対舌打ちしていると思わない?」

「先生!! 世の中には、人の役に立つこと、人の笑顔が見られることに、純粋に喜びを感じて働いている人が沢山いるんです。先生みたいに損得勘定だけで動く人ばかりじゃないんですよ!」


そうか。 
彼が純粋にナイスガイで、私が偏見に満ちたクズ野郎であることは、どうやら間違いなさそうです。

ただ、アメリカンドックに付属するはずのケチャップとマスタードの入った小さな容器が見当たらなかったのは、たまたまでしょうか?