皇室(関連)用語

過日、今上陛下が「生前退位」のご意向を示されたとの報道がありました。
この件に関し、7/16付けの産経新聞に小堀佳一郎氏の論説が載っています。

氏は陛下の御尽瘁(ごじんすい)に対し、「・・国民の一人として感謝と恐懼(きょうく)の思いに堪えない」としつつも、大正天皇に代わり摂政に立たれた昭和天皇の御事績を例に、(現状で陛下の御希望に添わんとならば)「摂政の冊立(さくりつ)が最善ではないか」と述べられています。

高校の大先輩でもある氏の碩学には、かねてより敬服しておりましたが、今回の論考もまた、一分の隙もありません。

今回さらに有意義であったのは、文中で見たことのない多数の熟語と遭遇したことです。 前述の「尽瘁」、「恐懼」、「冊立」もそうですが、それ以外にも「践祚」「宝算」「登極」「(御)治定」など、天皇陛下や皇室に関連あるいは特化した熟語がほとんどです。


尽瘁(じんすい)・・自らの労苦を顧みることなく全力をつくすこと
恐懼(きょうく)・・おそれかしこまること
冊立(さくりつ)・・勅命によって皇太子・皇后などを正式に定めること
践祚(せんそ)・・天子の位を受け継ぐこと
宝算(ほうさん)・・天子の年齢
登極(とうきょく)・・天子の位に就くこと
(御)治定(ごじてい)・・(天子が)決めること。国をおさめ安定させること


勿論、英訳など、ほぼ存在しません。
神話の時代から続く日本の皇室同様、日本語もまた計り知れない奥行きがあります。